じゅんじゅん

赤い闇 スターリンの冷たい大地でのじゅんじゅんのレビュー・感想・評価

3.4
スターリンによる計画的飢饉、ホロドモールを題材にした実話に基づく映画。原題は主人公の名前の「Mr.Jones」

自己保身と真実の追求の間で揺れ動くジャーナリズムの葛藤を題材にしている。あるピューリッツァー受賞者は長い物に巻かれて完全にその矜持を失っている。一方、主人公は若さゆえの蛮勇さがあり真実を明るみに出すことはできたが、その後の人生長くはなかった。

作品内のウクライナでの惨状はかなりオブラートに包んで描写されている感じで残念だった。

結局、世界恐慌の窮状の中でソ連と接近したい西側諸国の思惑からこの惨事はほぼスルーされた。その後の独ソ戦でもウクライナはロシアの盾となりソ連邦内で最も多い数百万人の犠牲者を出している。歴史的にみて現在のウクライナが再びロシアの支配下に入らないよう必死に抵抗するのは必然といえる。国際社会はまたもやウクライナを見捨てるのだろうか。