kekq

DUNE/デューン 砂の惑星のkekqのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
4.0
ハリウッドの鬼門中の鬼門、伝説のSF「DUNE」をついにまともに映像化した作品。
タルコフスキーの「ソラリス」くらいの抽象度を覚悟していたが、思いのほかきちんとしたスペースオペラで拍子抜けするほどだった。

全く不安はなかったが、やはり世界の作り込みは圧倒的に凄い。とにかく美しく、重々しく、生々しく、知らない世界の臭い立つような空気が見事に映像から放出していた。

複雑すぎる人間関係やわかりにくい超能力もギリギリ初見で理解可能なレベルで教えてくれており、現実と夢が交錯する物語もなんとか置いていかれずに済んだ。
あれだけ宇宙開発が進んだ異星人の世界が財閥と資本主義の原理で普通に運営されてるのはどうかと思ったが、まあそのあたりはSF古典の社会風刺ということで…。

これまでのヴィルヌーヴ作品に比べたら難解さを置き去りにしておらず、だいぶ親切なエンターテイメントという印象。
商業的にも成功させ、最終作まで作り切りたいという気概が感じられる。

音楽がハンス・ジマーになってもやっぱり低音のヴヴヴヴヴ〜〜〜というノイズを鳴らしっぱなしにさせているのは最高。ヴィルヌーヴはこれでなくちゃ。次作はドルビーの爆音でぜひ浴びてみたい。
kekq

kekq