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ゴーストランドの惨劇のmatsukawaのレビュー・感想・評価

ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)
5.0
苦痛と恐怖と絶望を、見せるのじゃなく観客にリアルに体験させてしまう、本当に本当に恐ろしい映画。
中盤に仕掛けられたストーリー上の大きなツイストも、驚かすための仕掛けではなく、絶望を体感させる為の無情な装置であり、見ているこちらはその絶望の余りの重さに押し潰されそうになる。
エンタメとして消化できる恐怖のレベルを超えている。怖すぎ。
暴力描写も、映画内バイオレンスとして安心して見てられるようなものじゃない。
「壁に叩きつけられる」というよくある描写も、そのスピードと重量感のせいでリアルに痛くて怖い。
唐突で意味不明であまりにも理不尽な「暴力」がリアルすぎて、見ているこちらも確実にどこかを傷付けられている感覚。
その上、暴力に晒された人間の精神状態まで体験させられてしまう。

暴力がもたらすものの本質だけを抽出して作り上げられた芸術作品。
悪魔のいけにえと並んで近代美術館に収蔵されるべき大傑作。
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