真っ黒こげ太郎

マン・オブ・スウィッチの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

マン・オブ・スウィッチ(2017年製作の映画)
4.3
何か「フェイス/オフ」の顔面入れ替え手術がマシに思えてくるな…。
全身総入れ替えて…。


漫画家で一家の大黒柱であるダン・テ・タム(ダンテ・ラム!?w)は、癌によって余命2か月を宣告されてしまう。
何とか命が尽きるまでに漫画を完成させようと頑張るタムだが、病状はどんどん悪化し、家族にも辛く当たってしまうのだった。

そんな中、ずっと農家だと思っていた友人のマーが世界的な頭部交換手術の第一人者あることを知らされる。
マーが言うには、頭と別人の体を入れ替える移植手術を行えば助かるかもしれない、というものだった。
だが、その後のマーの調査で脳にまで癌が転移したことを知り、絶望するタムは森の中で自殺を図ろうとするもマーに止められる。
だがその時、森に銃声が響き渡り、見に行ってみると目の前に男の死体が!
実は脳に癌が転移していたというのは嘘で、本当は体の提供者がおらず躊躇していたのだ。
最初は戸惑うものの、タムはその男の体を移植する手術を受けることを決意。
手術は成功し、タムの癌は見事に完治するのだった。

最初こそ拒絶反応に苦しむものの、リハビリで慣れてゆき、家族との幸せな日々を取り戻したタン。
だが、いつの間にか彼の体には超人的な身体能力が備わっていた!!
タムは漫画のヒーローの如く町でヒーロー活動を開始するが、そんな中、頭の中に謎の記憶が流れ込んでくるのだった…



突如超人的能力を手に入れた男の戦いと謎の記憶を巡るドラマを描いたベトナム産のヒーローアクション。
内容的にはフランケンシュタインっぽい所もあるけど。

予告編のアクションが良さげで見た時から気になっていた本作。
(原題で動画検索して予告編観てるのって変かな?w)
てっきり格闘アクションメインで配給してる会社からリリースされた作品だから肉弾アクション増し増しな内容かと思ったら、意外にもシリアスなヒーロードラマだった。
(ある意味某マーベルのチートな人以上にサスペンスフルアクションしてなくもないw)


内容は謎の記憶を巡ってのサスペンスドラマが主軸。
しかし意外にもドラマがしっかりしている上に見やすく、飽きさせない。
三角関係やら、謎の組織やらとやや内容は詰め込みすぎ&せわしない感はあるものの、話はそこまで大きな破綻はないし、伏線回収もしっかりしてる。
(正直、後半で明らかになる主人公の家族関係のドラマは少々唐突だったが…。)

アクションシーンの数は多くないし、肉弾格闘メインな為ハリウッドの大作映画と比べても派手さはないが、話の展開もあってしっかりと盛り上がる。

難点としては、アクションシーンが思ったほど多くなかったのはちょっと残念。
特に予告編の最後のシーン。夢オチかよ!ちょっと期待してたのに…


まぁ、荒唐無稽な話ではあるし内容も既視感のある話が多い。
話し的にも少々歪な所はあるし荒削りな所も多いが、アクションもドラマもしっかりした作りで結構楽しめた。


まぁ、偶にはこういうタイプのヒーロー映画も悪くないかな?w
この手のマイナーヒーローのアクション物としては中々いい出来だと思うので気になる人はどうぞ。