閃輝暗点

オオカミの家の閃輝暗点のネタバレレビュー・内容・結末

オオカミの家(2018年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

通常のアニメーションであれば省かれるべき動きと動きの間を可視化することで、瞬間の「完成」も「崩壊」も見ざるを得なくさせられ、光景が常にドロドロと流動し、悪夢よりよっぽど悪夢的だった。
ただ、感覚的琴線を刺激され続けはしたが、常にストーリーの理解に必死で中々同時に楽しむことが難しかった。

自分が必死に解釈したお話はこんな感じ。

マリアは恐らく堕胎している。
ある日コロニーから子ブタを連れて脱走し、堕胎した我が子と思い込んで育てることで心の平衡を保っていた。
思い込みは続かず、現実に侵食されコロニーに戻る。
そこで今度は本当に子供を産み(蜜=コロニー、コロニーに迎合することでアナとペドロは色づき現実の子供となる)、失った我が子のアナとペドロとして育てる。
またコロニーを脱走して、今度こそ本当に家族として「家」を作る。
しかし飢えに耐えきれず子供に殺されそうになり、コロニーに逃げ込み子供を殺す。
結局、マリアはコロニーに迎合し生涯を終える。

暗い不安や虚飾の希望に目まぐるしくまみれ続けたマリアの生涯を表現するにはこの方法しかないと、最後には思えた。
閃輝暗点

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