悪魔の毒々クチビル

The Turtle's Head(原題)の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

The Turtle's Head(原題)(2014年製作の映画)
3.3
探偵事務所を開いているビンは仕事には何のやりがいも感じておらず、依頼人の奥方を内心エロい目で見たり、調査は殆ど助手達にやらせたりと、雑な日々を送っていた。
しかしある日、ふと自分の身体に異変が起きている事に気が付く。
「あれ?チンコが小さくなってますやん…」


「ヘレディタリー」のアリ・アスター監督による短編映画です。
今作では、日に日に自分のおティンティンが縮んでいってしまう男の恐怖を描いております。
何て恐ろしいプロットなんだ…

彼の作品はこれまで「ヘレディタリー」と短編の「The strange thing about the Johnsons」を観ましたが、あれらと比べるとこの作品は割とコメディ色が強かったですね。

助手2人に自分の縮んだチンコを見せるも、「いや、僕ら元のサイズを知らないんですけど…」 「で、でも、うん、そんなに小さくはないっすよ。普通だと思いますよ」とか口々に言われて「いや別にそういうことを言って欲しい訳じゃないんだよ」とぼやくシーンは面白かったです。

あと自分なりに治療法を色々調べ回っていく際に、とあるアジアンテイストな修道院にたどり着きます。
そこで邪気を取り払う名目なのか、二人の僧侶に竹棒でやたらアグレッシブにしばかれる場面があったんですけど、ここは声出して笑いました。
しかも無駄に長い。20秒近くバチバチしばかれ続けるっていうね。

肝心の(?)おティンティンですけど、モザイクがあったりなかったり。
多分作り物の時はそのまま映して、本物を出してる時にはモザイク掛ける、みたいな使い分けだと思います。
因みに一度ハッキリと限界寸前まで縮んだチンコが映ります。もう、何と言うか…ご愁傷さまです。
最終的にどうなるのかは観てのお楽しみなんですけど、ここは台詞での説明のみなのが残念。

全体的に笑いながら観れたんですけど、男からしたらこんな状況はとんだ生き地獄だし、よく考えなくても恐怖に満ち満ちた内容なのが分かるかと思います。
それはビンの段々と追い詰められていく表情からもひしひしと伝わってきます。

この作品は2014年製作のようですが、これ含めて今まで観てきた3作品に共通して言えることは、どのキャラクターも精神的に追い込まれた時の絶望の表情が非常に上手いということ。
「ヘレディタリー」しかり「The strange~」しかり、恐ろしいシチュエーション+登場人物たちのあのズーン…とした表情で観ているこちらにも更に恐怖と居心地の悪さが上乗せされるという、地獄の相乗効果を味わうことになるんですよね。


そう言えば監督の新作のポスター画像が公開されましたね。
あざといくらいな綺麗さが逆に怖かったんですけど、よく見たら奥の方にやべえのが…
これ絶対アレがああなってアレをアレするやつじゃん…ともうこの時点で、充分精神にダメージを喰らいました。
まぁ絶対観ますけど。