パトラ

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のパトラのレビュー・感想・評価

2.5
映画史に堂々と名を遺すジュラシックパークから始まった、集大成といえるはずの位置付けの本作。

なんだかなぁ‥☠️笑

映像表現はさすがのジュラシックシリーズ。
いろんな要素を詰め込もうとしたり、過去作リスペクトをしようとしたのは分かった。
たしかに初代のキャラ&キャストを集結させてのは熱いし、出せる恐竜をガンガン出したのは良い。

でもそれだけ。
恐竜はたくさん出しただけ。
初代のBGMもなんとなく一瞬流しただけ。
キャストもとりあえず集めただけ。

テーマの深さ、心理描写の巧みさ、観客の心をつかむ様な演出の妙、そういった魅力がビックリするくらい無い。

初代信者で申し訳ないのだが、初代ジュラシックパークにはそういう工夫が散りばめられていたと思うし、だからこそ名作だったのだと思う。

ジュラシックシリーズのテーマに、『遺伝子操作ってどうなの?』というものがあった。
人間の都合で、絶滅したはずの恐竜ちを勝手に甦らせて良いのか。
生まれる性別を操作していいのか。
生命を人間がコントロールしていいものなのか。
そういう問題提起がされていた。

本作では、遺伝子操作によって生まれた現代風のイナゴがなぜか登場する。
イナゴですよ。恐竜竜じゃないし、古代の生き物っていうわけでもない。
イナゴで遺伝子操作の恐ろしさを伝えたかったのかもしれないが‥でも結局、ラストも『遺伝子操作で解決!』みたいな感じだったな。

そういうのは別の映画でやってくれ‥
ジュラシックワールドでやる内容ではないよ。


本作には魅力は少ないが、ツッコミどころは山ほどある。
・危険な恐竜が目の前で人を殺しているのに、のんきに電話をし始める主人公。
・飛行機が凍った湖に墜落して、無傷で出てくる主人公たち。
・恐竜が主人公たちだけは殺しに来ない。タラタラ逃げる主人公たちをタラタラ追いかけて、近づいたら吠えるだけ。ノータッチを守り続ける。お化け屋敷のお化け役のスタッフか。

・ギガノトサウルスをティラノサウルスと爪の長いヤツが殺してハッピーエンドみたいな空気だったけど、本当にそれで良かったのか?
ワールド1のインドミナスレックスは、完全に人工で産み出された異物のような生命だから、それを原種の恐竜たちが生態系から排除しようとした。みたいな理屈は通ると思うが、ギガノトサウルスはそうでもなくない?笑

・なんか悪徳企業を突然裏切って、突然主人公側に着く人がいたけど、なんで‥?

・結局、人類と恐竜はどう共存していくのか‥映画の最初と最後で特に変わってなくないか?

例えば、序盤で摩天楼の屋上に巣を作ってたアイツどうするの?放置するってことなのかな。

シリーズ最終作なので、取り入れられそうなものをドンドン取り入れているうちに、ジュラシックシリーズとしての芯を疎かにしてしまった映画という印象でした。
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