パトラ

スプライスのパトラのレビュー・感想・評価

スプライス(2008年製作の映画)
3.7
絶妙なキモさ。

キモ過ぎず、可愛過ぎず、どこか拒否感を覚えるけど、僅かな美しさを感じるシーンもある。
クリーチャーデザインがとても良い。


作り出された生物のキモさがとても良いです。確かに人間っぽいんだけど、顔の作りとか足が明らかに人間ではない。

どんどん賢くなる、
微妙に女性として成長していく、
野生のうさぎを食い散らかす、
猫に対して愛情をもったかと思えば殺してしまう、
なんか翼みたいのが生える…
こういう描写が絶妙なキモさをキープし続けているのが、クリーチャー映画としては素晴らしいと思う。

そいつが、劇中ずっと登場してくれるから、コイツの造形をずっと眺めることができる。
どうやって撮影しているんだろう?


性転換するのは、これ以上なく分かりやすい伏線張ってくれていたから、まぁ予定調和。
監督としては、こういう人間の要素が入ったクリーチャーの性描写に力を入れたかったんだろうなぁ。
オスとしてもメスとしても性行動ができるクリーチャーっていうのは、斬新だった。キモいけどね。

皆さん言ってるけど、人間サイドがちょっとお馬鹿すぎる。そこが気になっちゃうと楽しめないかも。

男の方はちょっと性欲を制御してほしい。突然研究室で突然おっ始めるのもそうだし、絶妙にキモい異形の生物に欲情するのがまたキモい。
同じ男として、1ミリも共感できん…

女の方は倫理観崩壊してるし、やっちゃいけないことを全部やるタイプの人間。
B級映画には必要な人材ですね。
・自分のDNAを生物実験に使っちゃう
・案の定、情が生まれる
・会社に隠蔽しながら育てる
・制御できなくなったら暴力で支配する
・殺すときに躊躇う(これのせいで旦那は殺された)
・授かってしまった子どもを生むつもりらしい
育てられた環境が悲惨なものだったという描写があったけど、これはさすがにヒドい行い。監督は、なにか恨みのある女性でもいるのだろうか…笑

続編はないだろうけど、あのあと生まれるモンスターはまた人を襲うだろうし、惨劇が起こるんだろうなぁ。
で、またあの女はそのモンスターを庇うんだろうなぁ。
と、映画のその後の展開まで予想できる。

人間味のあるクリーチャーが軸だし、性描写がそれなりにあるから、人を選ぶ映画だろうけど、退屈させないストーリーで映像も良かった。
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