このレビューはネタバレを含みます
「インドから薬を買ってきてくれ」
「…密輸かよ」
貧乏な薬屋が、インドから白血病の治療薬を密輸してボロ儲けする話。
ブレイキング・バッド的な密売の話かと思ったら、最後は泣けてしまった…。お前悪人だったんちゃうんかい…。
ポン・ハオの身代わり爆走シーンはアツかったし、最後白血病患者の人たちがマスクを取って見送ってくれるシーンにはウルッときてしまった。伏線回収うますぎ。
麻薬とかのガチな悪薬ではなく、本当に必要な薬だったというのがこの企画のうまいところだと思う。主人公が悪役から急に正義の味方になった。
インドからジェネリックを密輸して白血病患者達に薬を売り続けるも、敵にルートを奪われ仲間も失い、患者達を一時は見捨ててしまう。しかし友の死を機に現場に復帰し、最終的に自分が損をしながらも安値で売り続けてたのがカッコよかった。
上海中に販路を持つ踊り子とか、英語が話せる神父とか、20歳の金髪乞食とか、仲間がどんどん増えていく構成も良い。
以下、セリフメモ。
「商機がある。正規版は3万7千元、インド製は2千元で薬効は全く同じ」
「価格が20倍も違うのか!?」
「気が変わったら電話くれ。俺の命の綱なんだよ」
「命は金だ」
「私は聖職者だ。違法は困る」
「お前が踊れ」
「その博士はペテン師だ!!」
「収益はせいぜい年百万だろう。2百万でルートを譲れよ」
「警察が向かってる。どうするかな?」
「薬は今日限りだ」
「俺たち白血病患者を…ペテン師に任せるのか…」
「あの人絶望して、自殺未遂を…幸い命だけは取り留めたけど…お願いよ…」
「また薬を売る。手伝ってくれ」
「いくらで売るんだ?」
「5百元」
「一瓶4万元の薬を飲み続けて、家も失い、家族も破産しました。安い薬が見つかったら、ニセ薬だと言う。ニセかどうか私たちには分かる」
「一瓶たったの5百元。儲け度外視で売っている」
「情よりも法を優先することが、法の執行者たる我々の務めだ」
「忠告しておく。この世の病はただ一つ。貧乏さ。この病気に治療法はない」
「2年で白血病患者を5百人は救った。これも善行だろ?」
「まだ20歳だぞ!何の罪がある!?」
「チョン・ヨン。あなたは月数十万の損よ」
「お返しだ。リウさんに仕入れてと」
「…法律を犯した罪は、どんな罰も甘んじて受け入れます。病人を見ていられなかったんです。輸入薬が高すぎて買えなければ、死を待つだけ。それとも自殺か」
「シュウに伝えてくれ。パパは悪人じゃないと」
「被告人チョン・ヨン。密輸と違法販売の罪で、証拠も十分で犯罪が立証された。だが被告の目的は、純粋に人助けで営利ではなく、大いに理解に値するため、5年の実刑とする」
≪チョン・ヨンは減刑になり、3年後に釈放。中国医療改革が進み、白血病患者にも特例が下りた。≫
「これからは?」
「さあな」
「ニセ薬を買う人はいないよ」
「なぜ?」
「正規の薬が保険で買える」