真っ黒こげ太郎

運び屋の真っ黒こげ太郎のネタバレレビュー・内容・結末

運び屋(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

(観る前)
なんか重そうな話だな…。でもまぁ偶には重い話を観るのも悪くはないかな…。

(観た後)
めっちゃハートフルやんけ!!!wwwwwwwwwwwwwwwww



とあるユリの栽培でその道で高く評価されていた園芸家のアール・ストーン。
しかしネットについていけないせいで商売は失敗し、家も差し押さえられ、家族を顧みなかった為に帰省しても皆に罵声や非難の声を浴びせられてしまう。
そんなどん詰まり状態の中、とある男に「車で運転するだけの簡単なお仕事があるよ!」と教えてもらい、どん詰まりなアールはその仕事を引き受ける。
荷物を積んだ後、気ままにドライブして特定の場所に行き少し車を置いておくだけの仕事で、大金をもらえて乗り気になったアール。
しかしその荷物の中身は麻薬で、アールは知らず知らずの内に麻薬の運び屋になってしまっていた!!!




88歳にも拘らずバリバリ現役で活躍している映画界の巨匠、クリント・イーストウッドさんの最新作。
(と言っても自分は「ダーティハリー」と「グラン・トリノ」しか観てませんが…。)
正直この人の作品はあまり注目してなかったのですが、映画館の予告で何度も観てたら、気になってきたので思い立って観ました。

最初は予告編から結構ハードな映画なのかと思っていたのですが、これが前述の通りまさかのハートフルな内容でビックリ!!!!!

前半は主役のお爺ちゃんが麻薬運びをするという内容なんだけど、お爺ちゃんはラジオを流しながら鼻歌を歌い、寄り道をしたりと超マイペース!
更に人がいいお爺ちゃんは周りの人の問題を大金出して解決しちゃったり、手に入れたお金で家を取り戻し、車を新調し、パーティで踊って美女を抱いたりと(しかも3P!!しかも2回も!?)物凄い人生を謳歌してる!!!ww
ピンチになりそうな場面もあるのだが、持ち前の気前の良さとのお陰で見事にバレずに済んでしまう!!!wしかも一部のギャングや麻薬の捜査官の男と仲良しになっちゃう!(ええー!?)www

その一方で後半からはシリアスなトーンに様変わりしていった。
順調な仕事にも問題が生じ初めたり、また家族がとある事情から仲が良くなっていったり、そしてそれらが収束するクライマックス…。
しかし、それらのシリアスな展開にもコミカルな部分や優しいお話、所謂、「陽」な雰囲気をメリハリよく出しており、明るすぎず、暗くならすぎず、丁度いい塩梅で内容にのめり込める。

そしてラストはちゃんと自分の罪と向き合い、最後には優しい着地。
ラストは個人的に「グラン・トリノ」以上に清々しい、スッキリした気持ちになれたよ。
(スタッフロールの最初に流れる曲が、何かオシャレなカフェでティータイムしてるような感じの曲でなんか楽しかったwwww)

コミカルとシリアスのメリハリをしっかりつけたワビサビの効いた演出に、色んな角度から見られる奥深さや楽しさもある、ヒューマンドラマの傑作です。

話も重くないし、楽しい内容なので、肩の力を抜いて気楽に観れますよ。