アマンダと僕(2018)
遡ること2年前の2018年 秋
東京国際映画祭 コンペ部門で東京グランプリ・最優秀脚本賞を受賞した作品
ミカエル・アース監督の長編2作目にあたる『サマーフィーリング』を鑑賞する前に先ずは過去作をチェックした
今まで色んな映画観てきた中でこの映画を観終わったとき「寂しさの少し先」を感じた
『パリ・テロ・叔父と姪』
という主軸がある中で叔父と姪にあたるメインキャラクター「アマンダ」と「ダヴィッド」の心の揺れる感じがフィクションだけど妙にリアルで繊細
テロによって家族を失って深い喪失感を乗り越えていく2人の姿や親族としての絆を観ていくことになるんだけど
そこがホント爽やかで暑苦しくない
ダヴィッドが便利屋として生計を立てる中で
「アマンダの父親代わりになれるのか」
という部分では苦悩はしつつも日々の健気な姿がとにかく優しいし穏やか
ふんわりした雰囲気に清潔感だったり清涼感を感じる
テロで人生に影を与えられる悲劇のストーリーでもあるけど全く暗くない
感傷的な心情はアマンダのナチュラルな泣き顔から湧いてくるんだけど
アマンダは常に「寂しさの少し先」を見せてくれる
そこに加えてパリの写実的な日常の風景が緩衝材のような形で癒しも与えてくれる
ストーリーの途中でレコード屋が出てくるけど描き方もホントにスタイリッシュ
店内にはThe Go-Betweens「Cattle and Cane」がBGMで流れてるんだけどこれもマッチしてストーリーを全くジャマしない
https://m.youtube.com/watch?v=8lknRNddb5o
ストーリー自体に人間くさい素の現実を感じるし 自然光の明るさや軽やかさも描かれてる
アマンダとダヴィッドの成長していくストーリーでもあるけど互いの感情に正面から直接向き合ってる
切り裂かれたシリアスなストーリーの中にユーモアな感性を忘れないで深い愛情につつまれた映画でホントに優しい