Float

グリーンブックのFloatのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
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わかりやすい。
わかりやすく作ったのかもと思った。

だからこそちょっと鼻につくところが私にはあった。
OPから「黒人と白人のいい話を白人の監督がやりますよ!」という感じがして、躊躇ってしまった。

人種差別がテーマではないという見方をしてる人がいて、それならとても良い映画と思うし、歴史に興味を持つ入り口には良さそう。

キャラ造形が属性以上のものになっておらず、人間ドラマの生々しさがなかった。
きれいな構成だったし、「映画」を見たい人には良いと思う。映画に期待するものはたくさん詰まっている。

しかしわたしは、差別という歴史を扱う上で、製作がわの「○○といえば○○だよね」が、二周くらい回って浮薄と感じた。

美味しそうなフライドチキンだって、奴隷が白人の料理を作る過程で生まれた。
クィアにも理解があるよ!いいと思う!って言う人に抱く違和感に近いものがある。悪い人ではない、悪意もない…だけど、当人の視点はいつまでも優位な立場から変わらないという感じ。

本国の黒人の方からの評価はどうなのかしら。(調べたら、米国では賛否両論らしい)

あの二人が人間同士として描かれていたら、感動したと思う。どこまでも、美しいラストシーンのために用意された人形にみえた。

これより前の時代を描いた「それでも夜は明ける」はどろどろしていたし、面白いとは思わなかったけど、わたしはあれのほうが誠実な感じがして好きだった。スパイク・リーとかさ。
もっと暗くしろって話じゃなく、キャラを「人間」にしてほしかった。

「私はあなたのニグロではない」を見たいと思った
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