■壮大かつ深遠
四部作・合計15時間上演のうちの3時間40分(休憩や舞台裏映像を含めると4時間50分)の旅。
予備知識なしで観に行ったんだけど、残りの3作も観たくなるくらい壮大な世界観と深遠な心理描写だったなぁ。
この一作を観ただけでも、神と人間の何世代にも連なる物語だって伝わってくるんだよね。スター・ウォーズが影響を受けたという意味がよくわかる。
ただ世界観以上に感服したのは深くて広がりのある心理描写だったんだよね。特に第3幕の父娘の会話はすご過ぎる。
こちらが考えている心理の何層も深いところを見せてくれるんだよね。娘の存在が、父親が気付かなかった、いや気付きたくなかった心理をいくつも浮かび上がらせる過程は見事としか言いようがない。
言葉は心を超えないと言うけれど、言葉や音楽が心を作り上げることってあるなぁと。オペラには映画にない力があることを、改めて感じさせてくれました。