ミサホ

冬時間のパリのミサホのレビュー・感想・評価

冬時間のパリ(2018年製作の映画)
3.8
超過激な作品『チタン』を観た後は、その興奮というか、気持ちの昂りを鎮めるために、同じフランス🇫🇷の軽めの作品を選びました。

なんか良かった。
おもしろかった。

敏腕編集者のアランと女優のセレナは夫婦。そして、アランを編集担当者に持つ作家レオナールは、政治家の秘書ヴァレリーを妻に持つが、密かにセレナと関係を持っている。セレナの夫アランも若い女性と目下不倫中だ。

フランスらしく奔放な恋愛を繰り広げる。ただ、ベッタベタな恋愛映画ではなく、どこまでもサラッとしていて、また恋愛同様に繰り広げられる彼らの会話も知的そのものだ。

こっちはくだらない会話ばかりしているというのに…。

作家のレオナールの新作は、不倫を題材にした前作の続編だ。しかし編集者のアランに、私小説のようなそれを出版しないと言われ、肩を落とす。

ブック・トークと言われる、宣伝の場では、MCの人から「意気込みは感じるが、あまり知られていない」と新作をいきなりコケにされたり、読者からキツイ質問を浴びたりして、きょとん…とするさまがなんか笑えるのだ。

レオナールは、読者のみならず、妻やアラン、セレナにも詰められたり、やり込められたりして、萎縮してばっかりなのだ。(作家なのにね)

それでも最終的には、一般的には“幸せ”と言われるものが訪れたようで、少しホッとした次第である。(上から目線でごめんね)

紙の本と電子書籍の覇権争い等々の話がとても面白かったのだけど、日本では今どっちが優勢なのだろうか。映画に関しては、レンタル屋さんは衰退の一途を辿り、配信が幅を利かせている。

本はどうだろう…
紙の本の魅力はまだまだ健在だと思いたいなぁ。ページを一枚一枚めくる音とか手触りがやっぱり愛おしいよね。
ミサホ

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