陽のあたる町を配信している動画配信サービス

『陽のあたる町』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

陽のあたる町
動画配信は2024年4月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

陽のあたる町の作品紹介

陽のあたる町のあらすじ

音楽教師のズラブは家族を養うため、放棄された町の建造物を破壊し、鉄屑を売りはじめた。崩落事故で仲間を亡くしたばかりのアルチルは、自らの情熱である演劇に身を捧げるべきか、危険を顧みず鉱夫として働き稼ぐべきかの選択に迷っている。痩せ細ったアスリート、マリアムとイリナは町の厳しい財政状況で満足な援助を得られないなか、オリンピックを目指し走り続ける。

陽のあたる町の監督

原題
Mzis Qalaqi
製作年
2017年
製作国
ジョージア
上映時間
104分
ジャンル
ドキュメンタリー

『陽のあたる町』に投稿された感想・評価

kyoko

kyokoの感想・評価

-
ジョージア・チアトゥラ。
旧ソ連時代にマンガン採掘場として栄えた町。
今やゴーストタウンと化した町を、錆びついたケーブルカーが見下ろしている。

音楽教師は町の人や子どもたちにジョージアのチョングリという弦楽器を教えている。と思ったら廃墟で地道に鉄筋を抜いて生活の足しにしていた。いいのか?それ。

家族と離れて暮らす男は採掘場で働きながら演劇をやっている。これが結構本気のちゃんとしたヤツ。これを一体何人の人に観てもらえるんだろう。

女の子がふたり、黙々と陸上競技の練習をしている。双子?どうやらかなりの逸材でオリンピックも目指せるレベルらしい。一日一食しか取れない経済状況でこれ以上厳しいトレーニングができないとラジオでコーチが支援を呼びかけている。まじか。

まるでディストピアのように外界から取り残されながらマンガン採掘は今でも細々と行われている。毎年死者が出るような劣悪な環境で、生活は恐ろしく貧しい。それでも歌や踊りや演劇という芸術的な豊かさを失わない、なんだか世捨て人の国という感じがした。
小

小の感想・評価

4.0
2018年10月に岩波ホールで開催の「ジョージア映画祭」トリの作品。上映前、劇場の方が挨拶でとても素晴らしい作品であるようなことを話していたこともあり期待して観たのだけれど、静かで退屈な内容に前半かなりウトウト。

映画祭の資料には<炭鉱が寂れ、廃墟のようになった町に住む人たちの生活と夢を描く異色ドキュメンタリー。この作品の荘厳な世界は、あたかも人類の未来を映し出した黙示録のような趣がある。昨年、世界の映画祭で上映されて、高く評価された>とあるけれど、これじゃあなあ~というのが率直なところ。

で、感想を書くために舞台となっている「チアトゥラ」について調べてみると、俄然興味がわいてくるという。やっぱり映画は「知って観ると100倍面白い、観てから知っても100倍面白い」(by町山智浩氏)。

知ったところをまとめて書いてみると次のよう。

・19世紀にグルジアの詩人で貴族のアカキ・ツェレテリが創設。
・1879年からコーカサスにおけるマンガン採掘の中心地となり、第一次世界大戦当時、世界シェアの4~5割程度を占めるまでになった。
・ソ連時代でも工業の中心地。アメリカのハリマンという億万長者が巨額投資をして自らも住んだ。劇場、大学、コンサートホール、スタジアム、公園が建設され、世界初かつ最大の公共ロープウェイが設置された。

・1990年代、国営鉱山企業のチアトゥラマンガヌミが破産を宣言。1992年には電気、ガス、水道が崩壊状態となる。
・2004年になって電気は復旧したものの、ガスと水道は依然不通で、水は3~5日ごとに30分程度流れるくらい。飲料水は市内の噴水からの汲み取りで、比較的近代的な住宅、高層ビルまでも薪ストーブで暖をとっている。
・不便な生活から1989年に約3万人の人口は2002年には1万4000人と半減した。

廃墟マニアなら垂涎の場所で、ネット画像でみる老朽化したロープウェイが凄い。ジョージア人は、チアトゥラのことをバカにしているという話もあった。

というようなことを知ると<人類の未来を映し出した黙示録>という言葉が腑に落ちる。<人類と科学技術の大規模な挑戦が行われ、それが失敗に終わった>姿はこのようなものなのかと。

そのような状況でも、なんとかして人間の尊厳を保ちながら生きようとする人々が映し出されていたような気がする。

映画祭の資料にあった冒頭と最後のテロップ(トマーゾ・カンパネッラ「太陽の都」)を記録しておく。

【冒頭のテロップ】
全能の力をもって この世界を作りし方/その息吹はすべての生物と 人類に命を授ける/その方は限りなく 多様な世界を/我々 人間に与えた/全ての君主は 彼から力を得て/彼に似た姿を持つ

【最後のテロップ】
何も求めないから 彼らは豊かで/何も所有しないから 貧しい/そして それ故に彼らは状況の奴隷にならず/状況を有効に使うのだ

あらかじめ知識を得ていれば、もっと良く観れた気がするだけに残念。機会があったらまた観たい作品。
ジョージア映画祭、大阪の楽日に滑り込む。

思えば今年は土本典昭、岩佐寿弥、福田克彦、C・ランズマン、F・ワイズマン、そしてJ・メカスと旧作ドキュメンタリーを堪能させていただいたが、年末に本命登場。岩波ホールでは去年の公開ということだが、強引に今年のマイベズトテンに繰り入れさせてもらいます。

ドマーゾ・カンパネッラの『太陽の都』と完全にリンクした作りなんだと思うけど、映画には日差しが現れない。半袖を着て扇風機が回るシーンでも曇天。あるいは小糠雨から篠突く雨まで、そして雪。偉大なる指導者、大いなる理想たる太陽はもはや彼の地には存在しないのね。

マチュピチュの遺跡を思わせる廃市で無表情に暮らし続ける人たちが一様に無口な雄弁で惹き込まれてしまう。

ほぼ廃虚になってるスタジアムの、なのに手入れされて鮮やかな緑を訴えかけてくる芝と、坑内で食べるパンのおかず=丸いソーセージが齧られて歯形を残して小さくなっていくところ、いたく感動しました。

評判作で、ましてや最終日ということで、映像作家やコアなファンの方など常連さんが大集合でした。

『陽のあたる町』に似ている作品

人類遺産

上映日:

2017年03月04日

製作国:

上映時間:

94分
3.7

あらすじ

ナレーションと音楽を排して食糧の生産現場を見せつけた「いのちの食べかた」や、夜に活動する人々を描いた「眠れぬ夜の仕事図鑑」などを手がけてきたドキュメンタリー作家のニコラス・ゲイハルター監督…

>>続きを読む

クナシリ

上映日:

2021年12月04日

製作国:

上映時間:

74分
3.5

あらすじ

ベラルーシに生まれ、フランスを拠点とするコズロフ監督は北方領土・国後島を訪れ、その現状を見つめる。日本人が残した生活用具を掘り起こす男をはじめ、国境政策に翻弄された住民たちの生活は決して安…

>>続きを読む

アーガースワーディ村

製作国:

上映時間:

20分
3.0

あらすじ

村は干ばつがひどく、雇用機会もない。若者は次々と故郷を離れて、村には年寄りと子どもだけが取り残されている。そんな中、ビームラーオはやむなく自分で井戸を掘っている。この作品はアーガースワーデ…

>>続きを読む

セメントの記憶

上映日:

2019年03月23日

製作国:

上映時間:

88分
3.6

あらすじ

中東のパリ、ベイルート。地中海を眺望する超高層ビルの建設現場でシリア人移民・難民労働者たちは静かに働いている。ある男が、出稼ぎ労働者だった父がベイルートから持ち帰った一枚の絵の記憶を回想す…

>>続きを読む