ちゃか

スマホを落としただけなのにのちゃかのレビュー・感想・評価

3.4
「メディアリテラシーをつけるのに役立つ作品」

本作は、ある日スマホを落としたことが仇となって、恐怖体験が次々と起こっていく作品です。恐怖体験といっても、心霊系の怖さとかではなく、サスペンスドラマみたいな怖さですね。本作はスマホやネットの怖さを思い知らされるストーリー設定なので、かなり現代風で、恐らく10代〜30代ぐらいをターゲットに作っているのではないかと思います。

ただ、このストーリー設定自体が現代だからこそ作れる面白そうな設定なのに対し、その設定に対する展開の作り方や構成力が微妙です。全体的に次の展開、次の次の展開まで予想できてしまうし、その予想がほぼ当たってしまうので、意外性が無さすぎて少し面白さに欠けます。正直、意外性がある展開を挙げるとすれば、終盤あたりの1シーンぐらいでした。

やはり映画の醍醐味って、「次どうなるの?!」って予想できなくて、「ふぁ、マジか、そうなるんか!!」って思えることだと思いますし、それが無ければなんかつまらないなってなって途中で見るのをやめたくなると思います。
そういう予想外な展開の作り込みが本作にはほとんどないので、予想するのが得意な人であれば、本作はつまらないと感じることもありうる気がします。全体的にもう少しひねった見せ方をしてほしかったなと思いました。

上記のように構成自体は微妙でしたが、成田凌さんの演技はかなり素晴らしいと思いました。あんなに頭おかしいキャラを演じるのって、相当な実力がないとできないと思います。
僕には成田凌さんが与えられた役に対してめちゃくちゃのめり込んで頑張ってる風に見えて、自分の演技で本作をもっと面白いものにしたいといったような感情が画面を通じて伝わってきました。もちろん実際、成田さんがどういう気持ちで演技をしているのかは定かではありませんが、非常に良かったと思いました。成田凌さんの演技に関しては、☆5つけれますね笑

あと、本作で最後に少しびっくりさせられたのは、あの話題の恋愛映画(個人的に一番好きな映画)で主演を務めていた俳優さんが、ラストのシーンでカップルの彼氏役で登場してくるところです。最後に、「おっ!!マジか!!」ってなって嬉しくなりました。
ただ、個人的には彼女役も、その恋愛映画の役の人をキャスティングしてほしかったなーって思いました。
まぁその映画が2017年公開で、本作が2018年なので、中々無理はありそうですがw

全体的に少し批判的なコメントになりましたが、ストーリーの構成が単純なので、逆に言えば内容が理解しやすいので、映画は何も考えずに楽しんじゃう派の人にはオススメかもしれないです!
ちゃか

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