ミーハー女子大生

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話のミーハー女子大生のレビュー・感想・評価

4.1
【あらすじ】
北海道で医大に通う田中(三浦春馬)は、ボランティア活動を通じて体が不自由な鹿野(大泉洋)と出会う。
鹿野は病院を出てボランティアを募り、両親の助けも借りて一風変わった自立生活をスタートさせる。
ある日、新人ボランティアの美咲(高畑充希)に恋をした鹿野は、ラブレターの代筆を田中に頼む。
ところが美咲は田中の恋人だった。

【感想】
鹿野さんの生きる力は どこから湧いてくるんだろう?
筋ジストロフィーで車いす生活、体で動かせるのは首と手だけ。
彼の最大の武器は口。
とにかくおしゃべりで、思った事をズケズケと言う。
介助なしでは生きられないのに、ボランティア達と自立生活を送っている。
ボランティア達によって、ではない。
彼らの関係は「対等」なのだ。
映画のしょっぱなは「対等」なんて思わなかったけど。

元々ポジティブな人なんだと思うけど、超ポジティブ鹿野さんを作ったのはやっぱりお母さんかな?
なんで息子の世話をボランティアにお任せするのか?
それは鹿野さんが拒絶するから。
彼の自宅に彼の大好きないなり寿司を差入れするなり、さっさと帰ってしまうお母さん。 本当はあれもこれもやってあげたいんだろうな、と思う。
自分の介護のためだけの人生を送って欲しくない、と切に願う鹿野さん。
強く拒絶する事が親孝行。
でも鹿野さんだってもっと甘えたかったんじゃないかな?
だから術後の病室での母子の対話にはすごくグッときたし、ここでまさかの涙かよ!

結局は『人となり』なんだろうなあ。
最初は「ボランティア」と「お世話される側の人」から、だんだん彼の「人となり」を知り好きになり「友達」になり「家族」になる。
だからこそ延べ500人ものボランティアの人達が彼を支え続けたんだと思う。
また、そんな彼を産み育てたお母さんだからこそ没後16年たってもボランティアの人達との交流が あるんだと思う。

英検2級合格とアメリカへ行く事は叶わなかったけど(指輪の返事の事もあれOKだったら 出来過ぎって思ってしまう)夢を持ち続ける事が大事なんだと観てる私たちに教えてくれる。
そんな鹿野さんを大泉洋さんが好演しています。
1人では何もできない、1人になれない。
そんな生活になったら私は鹿野さんのように 生きる事はできない。。。
彼は凄い人だ。
彼の生きる力は彼自身の中から湧いてくるんだろうな。

良作なので、機会があればぜひ鑑賞してみてください。

ストーリー 4
演出 4
音楽4
印象 4
独創性 4
関心度5
総合 4.1

45/2023