失敗の仕方の「ドラマの無さ」と「つまらなさ」が面白かった。
恐らく「事実」を忠実にトレースした為にそうなっているのだけど、作ったストーリーでは醸せなさそうな、絶妙な空洞感が味わい深い。
そして、そこに被さる「藪の中」的な多重視点によって、なんだか四次元的な（？）面白さも加わり、いよいよ唯一無二な面白さに。
上記の要素があってこそ、「ご本人登場」の構成にも面白さが出てくる。特に最後に全員言葉を失うところなど、申し訳ないけど面白すぎる。
なんか面白いしか言ってない気がするけど、それくらい面白さに溢れてます。
でありながら、誰もが身に覚えのある青春のイタさがリアルに描かれていて、かなり胸が苦しくなったりもします。
聖なる鹿殺しの印象しかなかったけど、普通の人を演じるバリー・コーガンもめちゃくちゃいい。今最も次回作が楽しみな人です。
