エス

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へのエスのレビュー・感想・評価

4.0
いつから私達は他人と比べて自信を失い、自分を嫌い始めるのか。いつからそうせざるを得なくなってしまうのか。

生きる楽しみやきらめき抱えた夢見るキッズが、段々醜い現実と対峙することになり、理不尽にもそれらを社会に奪われるこの遣る瀬無さといったらもう。そして全編通して思った以上に気まずい。流石のボーバーナムです。参っちゃった。

あまり誇らしくない中学高校生活を送っていた自分、あまりにどんぴしゃすぎて同族嫌悪が出てしまうと思っていて、先延ばしにしていたけど、今作を通して、昔ほどひとりでいることに怯えてないし、不安な部分は未だに死ぬ程あれど、自分がどういう人か知っているので。(勿論自分じゃんこれってところは沢山あった)(当てはまりすぎて頭を抱えた)これをみて、知らぬ間に変われた自分に気付かされた。

”今起きてることがこれからも起きるとは限らないし、物事は変わる”
昔は物事が変わることを物凄く恐れていたけど、そういう仕組みだからこそ、新たな出逢いや感動を追い続けることが出来るし、苦しい状況もいつかは終わると、止まない雨は無いと人々は希望を持つことが出来る。

自分の中に存在するなんとなく不快な部分や不安に感じる部分をどれだけ許容できるか。というより、それをどれだけ恥じることなく愛せるか、その方法を知るまでを成長って呼ぶのかもなとぼんやり思った。素直でいれることはこの世で一番素敵なことだ。
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