このレビューはネタバレを含みます
しばらくの静寂の後、突然老女の奇声。
それがこの映画のオープニング。
その不安や不快感が全体を通して支配し続ける。
この夫と過ごした時間は何だったのか、ひいては、私の人生は何だったのか。
老女の不安は、誰からも肯定や寄り添いも無しに淡々と続く時間で、もう救いがないことを示される。
児童への性的虐待という擁護しようがない卑劣な行為を、夫はしていた。
老女は加担していたわけではないのに、最愛の孫との触れ合いも奪われ、人生の終期に全てを失ってしまう。
信じたくなくて、見ないようにしてた老女は、罪だろうか。
冗長な映画。
でも私たちの人生にハッピーエンドなど期待してはいけないことを教えてくれる。