今年は諸事情によりベスト11から……。
ある夫婦に取り憑く謎のなにかvs霊能力者！ 中島哲也監督の作品は殆ど観てませんでしたが、こんなに尖った作家性の持ち主だったんですね！ NWRを彷彿とさせる色調に、一点透視図法やMV的な映像美、対位法に近い音楽の使い方など好みは分かれるのでしょうが、私はかなり好きです！ 同じ脚本でも黒沢清監督や白石晃士監督に渡していたら全然違う物になっていた事でしょう……。
役者陣の演技もまあ中島組と云った感じで安定、妻夫木聡と岡田将生は見た目からして空虚な役が似合うと前々から思ってはいましたが、今作の空虚っぷりは随一。不特定多数に対して幸せな姿を見せたいが為に隣人を犠牲にする感じ、まあ誰にでもありがちですよねー。前半は少し怠惰ですが、さんざん描かれた「自己顕示欲」「承認欲求」の要素がラストに繋がる構成は上手い。小松菜奈の激変っぷりは予告編を観た時は衝撃的でしたが、本編の可愛さは突き抜けた物を感じました。柴田理恵は笑った。
終盤の除霊シーンはやや大仰過ぎるし、訳わからなすぎる、正直『貞子3D2』みたいになってたなとは思いましたし、もう少し分かりやすく出来なかったのかとは思いましたが、今のこの時代にここまで派手はJホラーを観る事が出来た事が一つの奇跡なのだと受け入れる事にしました。果たして『地獄少女』『犬鳴村』はこれに続く事が出来るのか……！？
<2018年ベスト11位>
