こたつむり

劇場版 幼女戦記のこたつむりのレビュー・感想・評価

劇場版 幼女戦記(2019年製作の映画)
4.2
♪ 「やめろ!人生は最後の武器だ!
   無駄弾を撃つんじゃない!」

諸君!望外の喜びだ!
1話24分の連続アニメを観ていた視聴者にとって確実に面白い作品の登場である!これはまさにタイトルに騙されてはいけないという証左ではないか!確かに趣味を疑われても仕方がないタイトルだがな!

しかし!大切なのは魂である!
創作において肝要なのは自由を貴ぶ姿勢であり、本作はそれを具現化しているのだ!戦争は理屈と感情が交差する人間らしい営みであり、それを恐怖と啓蒙と滑稽さを以って描いているのである!

おお!これぞ、まさに映画!
最早、実写であるか否かは愚昧なる討論に過ぎぬ!我々が求めるべきは脳髄が揺さぶられる瞬間であり、価値観が反転する刹那なのだ!それこそが創作物が本来持つポテンシャルである!

ゆえにカタルシスは約束されたも同然!
クライマックスは「モビルスーツ戦ですか?」と呟くほどに迫力に満ちているではないか!そう!「連邦の×××はバケモノか!」と口にした先達は間違っていない!

何故ならば、我々は忘れていないからだ!
先の大戦の哀しみを歴史に刻んだがゆえに、入口は違えど出口は同じなのである!「戦争は数だよ兄貴」の真理を味わえるのも同然と言えよう!

だから立てよ!国民!
今こそ、真に面白い映画のために立てよ!国民!表層の分かりやすい刺激に騙されるのではなく、熱き魂に触れる機会に歓喜の声を挙げよ!それが先に続く営みの端緒となるのだ!

まあ、そんなわけで!
圧倒的に面白い戦争アニメが此処にある!
ソ連を虚仮にした場面で腹を捩じらせ、卓越した戦略に膝を震わせ、軍人が軍人たる理由を魂に刻むが良い!根底にある想いを存分に楽しむが良い!

なお、人を選ぶ筆致は当たり前である!
その辺りに騙されても当局は関知しないので全ては自己責任だ!それでは、観賞後の献杯に向けて邁進せよ、諸君!

以上!
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