氷雨水葵

劇場版 幼女戦記の氷雨水葵のレビュー・感想・評価

劇場版 幼女戦記(2019年製作の映画)
4.5
2022年リライト111本目

総員傾注!

◆あらすじ
統一暦1926年、ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐(CV:悠木碧)率いる、帝国軍第二〇三航空魔導大隊は、南方大陸での勝利に伴い凱旋休暇を期待していた。

しかし、参謀本部の特命により、ターニャたちは連邦領へ越境偵察に行くことに。時を同じくして、連邦内部に多国籍義勇軍が足を踏み入れる。

そのなかには、父を殺した帝国への復讐を果たすべく、ひとりの少女メアリー・スー准尉(CV:戸松遥)の姿があった―――。

◆感想
うふふ、アニメよりもクオリティ上がってて良き。戦闘シーンの迫力素晴らしいし、作画の緻密さもあって見入ってしまう。子どもながらに血の気の多いターニャ好きぃぃ!!
アニメシリーズのクライマックスがあんな終わり方だったので、さすがに続くだろと思っていましたがまさか劇場版でやってくれるとはね!?(嬉しい)しかも、メアリーとの対決の行方を描いており、帝国が新たな局面を迎える大事な物語。アニメではレルゲン大佐がターニャに対して言っていた「幼女の皮をかぶった化け物」が、本作ではメアリーにも形容されることになります。

てか、任務から帰ってきてすぐに雪国へ飛ばされるあたり、やっぱりターニャはそういう運命なのか(笑)「酒だー!シャワーだ!」って言ってる部下たちとターニャのテンションの下がり方やばい。「損耗率が高い」とターニャが言っても、レルゲン大佐はターニャを送り込んだのではと思ってしまう(笑)
にしても、市街地でのターニャとメアリーの魔導士バトルの作画素晴らしい。立体起動装置背負ってる並みの動きで、メアリーの血の気の多さも相まってなかなか迫力のあるシーンに。ターニャへの執着心ヤバすぎて胸焼け起こしそう。てか、父親殺されて復讐に燃えるのはいいのだけれど、戦争に個人的な感情を持ち出すのはどうなの?上官の命令も聞かないでひとりで先行して、仲間を危険に晒したら元も子のないけどね!?まぁそこらへんはターニャのセリフにもありましたね「馬鹿馬鹿しいにもほどがある」と。そんな混沌のななかでも、冷静にメアリーと対決するターニャさすがです。メアリーというキャラクター自体がターニャよりも幼稚な感じなので、まったく共感できない…。
第一次世界大戦と第二次世界大戦が混ざったような世界観なのに、ターニャが詠唱するときに出る近未来術式みたいな演出好き。
ティゲンホーフ防衛戦は手に汗握る展開が多かった!ヴァイスやケーニッヒたちが頑張っていて、軽空脅威があんなに多い中、最後まで戦いぬくのすごい。

終盤、レルゲン大佐曰く「反抗期が来た」らしいターニャが後方勤務するも、最前線に戻されるターニャ不憫…幼女らしからぬ絶望的な顔するよね、そりゃ。恐るべしゼートゥーア閣下。

◆閑話「砂漠のパスタ大作戦」についての感想
劇場版の前日譚ということでU-NEXTで再視聴!アニメシリーズ初期よりもかなり少佐っぷりが板についてきた印象(でも普通に可愛い)。過酷な砂漠戦の合間、水は貴重なのにパスタだけ送ってくる帝国に笑うしかない(ターニャ曰く「笑い話にもならない」)。威力偵察を兼ねて襲撃したのに、大量の水が手に入ったときは「おお!よかったね!」と謎に感動(笑)しかも、「砂漠のパスタ大作戦」と銘打って、トマトソースやチーズを手に入れちゃう第二〇三魔導大隊素晴らしい。「たまにはこんなのも悪くありませんね」笑顔で言うセレブリャコーフ中尉好き!極限状態でもやっぱり美味しい食事は大切よ。
劇場版での熾烈な戦闘姿からは考えられないくらい、気の抜けた一面を見れるのはOVAのいいところ。とくにターニャはね。美味しいパスタのために奮闘する姿はギャップ萌えだ。
氷雨水葵

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