くま

15時17分、パリ行きのくまのネタバレレビュー・内容・結末

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ジャケの暗い写真から勝ってに何となくは想像して観た。

巨匠クリント・イーストウッド監督が、テロの<真実>に迫る【実話】を、究極のリアル体験として描いた最新作!

ということでかなり期待していた。

ちょっとびっくりなのはテロリストに遭遇しギリギリのところで阻止した3人が、そのまま本人を演じていること、、、

その場に居合わせた乗客も出演しているとか。

が、なかなかそのテロ事件のシーンに辿り着かないので、ちょっと???となったのも事実。

これはテロを描いた映画ではなく、テロの現場にたまたま居合わせ、そのテロリストを取り押さえて英雄になった3人の若者の

幼少の頃からの半生を描いた実話だとして観ると納得できると思う。



以下ネタバレあり

3人の主人公、アンソニー・サドラー、 スペンサー・ストーン、アレク・スカラトスの幼少期の頃(小学生の頃?)

の話、やや落ちこぼれの問題児、を延々と、、青春映画を観ているようだった。

この頃育まれた3人の仲の良さ、団結力、日常の遊びとして戦闘服を着て戦闘ごっこをしていた背景などが長々と続き

大人になってスペンサーが「人を助けたい、人の役に立ちたい」希望を持って軍隊に志願して入隊、訓練を受けるシーン

その後のテロのシーンに不可欠な要素でもなかったようにも思えるし、布石のような意味は少しはあったようにも感じるし、

どうなんでしょう? まあ地元の英雄となった3人の成長物語りととらえれば必要だったと思うのですが、

どちらにしても長すぎたと思います。



そして成長し自立した3人が夏の休暇を利用してヨーロッパに集結して旅行を楽しむシーン、、、

本人がやっているだけに、演技しているようじゃなくて、当時を思い出しながらリアルにのんびり楽しんでいるようで

微笑ましく感じました。

その後、アムステルダムから15時17分発のパリ行きの高速列車に乗り込むのですが、、、、

のどかな田園風景の中を走る列車、テロとは関係のないロード・ムービーを観ているようで、旅を楽しむ列車内、、



やっとテロリストらしき人物の様子が映し出され、不穏な雰囲気に、、、

その観たかったテロとの対決のシーンは僅か10分くらいで、、リアルなものってこんなものなのか?

期待したほど劇的なものでもなく、、、あっさりとテロリストを阻止してしまった。

もっと大きく展開して緊迫した時間が続くパニック・シーンを期待していただけに、ちょっと肩透かしをくらったみたいだった。


ただ、銃を構えてまっすぐ向かって来るテロリストをここでくい止めなくてはと

友人の「行け!スペンサー!」の掛け声でスペンサーが躊躇なく突進していくシーンには

「嘘だろ!」って思うほど驚き、熱いものを感じ、ここは本当に良かった、、心打たれた感じだった。

いざとなったら躊躇なく行動に移せる人って少ないだろう、、

あの場面、テロリストに正面から銃で撃たれて死んでも不思議ではなかった。

これがリアルにあったのだから誰よりもスペンサーは凄かった。

3人の内2人が、訓練を受けた軍人だったことが不幸中の幸い。

腕っぷしに自信がなけりゃ、ああはいかない。



巨匠がリアリティを追求したからこそできた作品なんだと思うけど

事件に巻き込まれるまでが長すぎて、ちょっとダレて正直退屈でもあった。

くま

くま