囚人13号

アンダルシアの犬の囚人13号のレビュー・感想・評価

アンダルシアの犬(1928年製作の映画)
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アンダルシアも犬も関係ないのでアンダルシアの犬なんだろう(?)が、ブニュエルが終生取り憑かれていたエクスタシーと死の関係をガチシュルレアリストと一緒に探求したらこうなるのかと。

しかしイメージ喚起のツールとしての映画は絵画や文学よりも脳髄へ直接的なのでマン・レイをはじめ名シュルレアリスト達も幾つか映像作品を遺しているようだし、本作に限れば月と眼球のみならず胸/尻、脇毛/雲丹の類似性から蟻や馬の首などへの鮮烈な飛躍まで連鎖が途切れず持続していて楽しい。
そしてそこからの唐突な平面化というか、あれだけ動的なモンタージュをやっておいて静止で終える尖り具合も凄い。人間(生命)が急にオブジェ化する不気味さ。

ただいつも思うことは一点のみ、映画を撮ってる時点でシュルレアリスムの概念云々と矛盾してるじゃねぇか…笑
この辺りは完全な自己表現なので全て憶測になってしまうのだが、先述のあまりに出来すぎたマッチカットなどを見ているとやはり精神世界において排されるはずの自己操作、戦略性の介入を疑ってしまう。
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