枯井戸星

映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~の枯井戸星のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

傑作。
そして多分エブエブの原作である。
ここ10年のクレしん映画ではぶっちぎりで良い。
「ランちゃんの正義を倒しに来たゾ!」←こんなん普通に泣く。

春日部に中華街ができるという大胆な設定など、非日常性の演出のフレームの変化が興味深い。
人々の暴徒化も、ラーメンへの中毒症状で説明され、オトナ帝国的なフィクション中毒とは無縁。
いずれも現代的なアップデートと言えなくもない。

「それでも専門家?」「違いますけど」という掛け合いや、街の人が去って行っても残り続けるランなど、前半はやはりランの闘志の丁寧な描かれ方に胸が熱くなるわけだが、それだけに中国旅行以降の展開は沁みる。
ぷにぷにの精のデザインのヤバさもしんのすけの天才描写もマサオの急変もランの倒し方も全てが素晴らしい。
惜しむらくは、アクションにもっと気合が入っていて欲しかった、というところくらいか。
ほんとは、もっと怖い映画にもできるはずなのだが、あまりそうなってはいない。