🚘アッバス・キアロスタミ監督ならではの「ノロノロと車を走らせる」だけで映画として成立させてしまう手腕が素晴らしい。ロッセリーニの『イタリア旅行』にも通じる。
🚘会話→移動→会話→移動→終幕といったコンセプチュアルなキアロスタミ監督ならではのな話術が何気にツボだった。この監督はやはり巧い。一切の無駄を削ぎ落としたソリッドな演出により、ズブズブと映画の世界に引きずり込まれる。
🚘全編、退屈故に退屈しない(?)という逆説すら孕んでいる。ラストの台詞はやや直接的で説教臭いが、しみじみ心に残る良心作だった。
(蛇足)この映画を観た後、本気で自殺を考えた。