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ソフィア・コッポラの椿姫のYuki2Invyのレビュー・感想・評価

ソフィア・コッポラの椿姫(2016年製作の映画)
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自慢じゃないと言いつつ自慢してしまいますが、ローマ歌劇場来日公演!観てきてしまいましたよ(オロペーサがどーしても聴きたくて)。で、帰ってきてふと検索してみると、前から気にはなって居たのですがコッチもU-NEXTで観れるよーになってるじゃあないですか!得したよーな、でも少しダケ損したよーな気も……

ソフィア・コッポラの演出自体は、全体としては比較的にオーソドックス・クラシカルな方のモノだと思いましたが、例えば二幕一場の背景の演出(雲が常時流れていて、で場面に対して適切な明るさに随時変化してゆく)なんかはシンプルにちょっとテクニック的にもユニークで面白かったですね。ただまあ、このプロダクションについてはソレよりは断然、衣装(の凝り様)&演技指導の細やかさに注目するべき…とは思うのでして、その意味ではこの初演の収録バージョンはやはり観易さが段違い⇒観るべきタイミングで・観るべき人を・適切な角度で映してくれる…ので細かいトコロまで好~く分かる!ので立て続けに観ても非常に参考になりました。

衣装に関しては、あのバレンティノの全面協力!とゆーかやっぱスゴく綺麗で好く出来ていて、かつ隅々まで(無駄にすら思えるホドに)凝りまくってましたよね⇒サブキャラの小物に至るまで。ジョルジュ・ジェルモンがよく見ると二幕一場⇒ニ場で衣装変わってる(ニ場はチャンと夜会服着てる)てのは、少なくとも私は他では観たコト無かったです。三幕なんかでもヴィオレッタの衣装がま~たエラく可愛らしい衣装で、ココはナンかモ~「愛を感じる」のですよね。他方、演技に関しては、特に一幕と二幕ニ場のパーティのシーンで(ココでもやっぱ)サブキャラの演技がかなり細かく付いているのですよね。その観点でイチバン印象に残ったのはドゥフォール男爵でしたが(表情までこんなに演る?的な)この方はこの初演収録版でも今回の来日公演でも同じキャストだったよーで、少し「成程…」と思わされましたですね。

主要キャストについては、収録して公開するコトを少し考慮したのかな…とあくまで私の勘繰りでしかないですが、ヴィオレッタもアルフレードも比較的かなり若い二人でやってるのですよね=当時30そこそこ。フランチェスカ・ドットさんは、三幕で化粧を落とした後の感じはあまりそーも思われませんでしたが、やはり舞台の化粧をバリバリに決めた一幕初っ端に観た瞬間には私も少し「気が強そう…」と思ってしまいました(⇒どっちかつーとヴィオレッタよりはカルメンの方に見える…)。が聴いてゆくと一幕でもチャンと高音を歌い切り⇒で二幕・三幕の叙情的な表現の方とて(若いワリにも)相当に優れていた様に思われましたですね(泣けました)。結論、とにかく非常に観易い+細かく観てゆくに不足無い優れたつくり込み諸々を有するプロダクションでもある、と思いますので、機会があれば是非々々。
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