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バグダッド・カフェ 完全版のhirobeyのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

有名な「バグダッドカフェ」の完全版をDVD初鑑賞。と言っても実はジャケットのタンクの画像とスコアが高めという以外は、全く情報を入れなかった。

"コーリングユー"が流れる。有名な曲がこの映画のテーマソングだと知って少々驚いた次第。あのスローテンポな曲調が、砂漠地帯の寂れたモーテルの映像と良くマッチしていた。

バグダッドという地名は、アメリカに幾つかあるようだが、元はイラクの首都から付けられているらしい。

モハーヴェ砂漠のルート66沿いにある"バグダッドカフェ"。勝気で大雑把な女主人ブレンダは、亭主を追い出したばかり。そこへ、夫の運転する車を飛び出したドイツ人旅行者ジャスミンが現れる。連泊する中で、カフェに関わる人々との交流を通じて、ジャスミンとブレンダの間に友情が芽生えていく物語。

とにかくジャスミンの性格がいい。綺麗好きなところも赤ちゃんを可愛がるところも魅力がある。音楽を理解して聴く心も持っている。そして、グッズの入った箱の手引き書を見ながらマジックを覚える実直さと器用さもある。あまり台詞らしい台詞も多くないが、彼女が周りの人に与えた影響は計り知れない。

ハリウッドで背景画を描いていたルーディが、ジャスミンをモデルに絵を描く。キャンバス裏の番号が増えていくに連れ、ジャスミンの着ている服が少なくなっていく。ちょっとサービスしたりして…。手に持つ果物も意味深。2人の関係の進展を絵を通してライトに描いていて面白い。

夕焼けの中をブーメラン🪃が舞う印象的なカット。ジャスミンが戻るというフラグも分かりやすい。

終始砂ぼこりだらけの環境での生活に、潤いをもたらしたジャスミン。プロポーズのラストシーン。"yes"…"yes"…ときて、最後は"ブレンダに相談"というオチ。完全なハッピーエンドでなく、想像にお任せというところもオシャレな感じで良かった。
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