バイト感覚でビニール本(今でいうエロ本)のモデルをすることになった女子大生(中村れい子)が、業界人(関川慎二)との交流を通しながら、自分の居場所を確かめていく。ポルノ業界に足を踏み入れた女性の性意識を描いている、日活ロマンポルノ。
虚構(写真の中)と現実(写真の外)の狭間に墜ちていく女性の姿を、主人公と家出少女(小泉ゆか)の双方向から描いていく作風。ポルノ雑誌の過激化を盛り込むことにより、エロ本の存在意義をさらりと提起している。
関係者による仕事現場を淡々と描写しているので、当時のエロ本製作過程を追体験することができる。ヘアヌード解禁以前ということもあり、ヘア処理に言及するシーンがあるところも興味深い。
やっていることはブルーフィルム撮影隊の人間模様を題材にした、70年代のロマンポルノと大同小異だが、時代の変遷を落とし込んでいるため、飽きることなく鑑賞することができる。