TAK44マグナム

死霊館のシスターのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

死霊館のシスター(2018年製作の映画)
2.6
棺桶へストライク〜!


「死霊館」シリーズの五作目。
凶悪な悪魔ヴァラクが修道院を舞台に恐怖を巻き起こすお話。

ふだんはあまりオカルトホラーは率先しては観ないのですが、ジェームズ・ワンの「死霊館」は鑑賞済みでした。
他のシリーズ作品は未見です。

なんだろう?
期待したものが観られなかった感が強い。
え?ヴァラクってこんなものなの?って思ってしまい、拍子抜けでした。
ホラー的演出も、いくつかはおっ、となったもののそこまで斬新さを感じず。
「死霊館」もオーソドックスと言えばオーソドックスだなと思ったくちなのですが、それでも後半になるにしたがって盛り上がったような気がしたのですがね。
ジェームズ・ワンは、得意の音で驚かせたり、いきなり派手な立ち回りがあったり、あの手この手で怖がらせよう、驚かせようとしているのが分かりましたが、本作にはそういった「サービス精神」よりも雰囲気重視なような気がしました。
そして、その雰囲気も本当に雰囲気だけで終わってしまっていて、凍りつくような空気感で震え上がらせるレベルには到達していません。
映像は綺麗ですけれど、緊張感に乏しい。

タイッサ・ファーミガは美しく、怖がる演技も素晴らしいと思いましたし、修道女姿のヴァラクも容姿的にはじゅうぶん怖いとはいえ、あまりにも回りくどい怖がらせ方に段々と眠気が優ってきてしまいましたよ。
70年代のオカルトホラーかと思いました。

蛇を吐き出す少年や棺桶へドーン!、ヴァラクの倒し方の伏線が(村人の習慣として)はってあったりしたのはまずまずだっただけに、本当に雰囲気のみで終わってしまったのが残念。
ジェームズ・ワンと違って(テレビのスピーカーだからか)、音ものっぺりと聞こえてしまいました。
鈴が鳴る場面などは、もっと怖くできたと思うんですけれどね。

ラストでちゃんと一作目と繋がるのはナイス。
けれども、個人的にはもっと過激でも良かったな。
想像よりもヴァラクが小物に見えてしまい、物足りませんでした。
ゴシックホラーが好きな方向けでしょう。


NETFLIXにて