ぶたぶー

シェイプ・オブ・ウォーターのぶたぶーのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

同僚のおしゃべりが楽しい。
イライザが最初耳が聞こえない?と思ったけど、冒頭で目覚まし止めてたりタップダンスにノリノリなところから彼女は聞こえるのだという描写があって分かりやすかった。
あと、しゃべれないだけで他の人と円滑にコミュニケーションを取れてるのもなんか良かった。
変わっているけどなんか良い人たちに囲まれてるのも良い。
恋してるおじさんの失恋にはなんともいえない気持ちになった。

あの男シンプルにトイレの後に手を洗ってほしい。差別的だし侮蔑的。そんでめちゃ嫌な男。リアルに嫌な人間。演じてるのかわからなくなるくらい。役者はすごい。シンプルにキモすぎる。色々偉そうだけど中身がない。奥さんに言われたら手を洗うし、成功者の乗る車だと言われたら車を買う。形にこだわり自己愛が強い。

イライザがテレビを見て歌やダンスにうっとりとするシーンに共感する。何か自分の知らない素敵な事が自分の身に起こる事を思い浮かべる。
なんとも言えない素敵な音楽たち。

イライザは喋らない。心の声も出てこない。なので何を考えて人魚と交流するのかわからない。
好奇心からなのか…と思っていたら…自分自身をありのまま偏見なく見てくれるからか。
そういえばこの話には偏見によって苦しむ人が多く出てくる。同性愛者や黒人や喋れない人。その人たちは苦しみを知っているからなのか、やさしい。

シェナンドーいい曲。

嫌な男も嫌な男なりに重圧に耐えている事がわかった。嫌な人間を作り出したのは嫌な環境だったのかも。でもそれで他人を嫌な目に合わせるのは人間として嫌。
そしてこの嫌男、喉を引き裂かれ声も出せずに亡くなるという因果応報。

そしてイライザの引き裂かれた喉の傷はエラとなり、映画のポスターにもなっている例のシーン。
あまりの美しさに口を押さえて泣いた。泣くまでいくとは思わなかったので自分でもちょっと驚いた。

全体的に先が読めなくて、どういうジャンルの映画かもわからないまま進んでたけど、全体的に素敵な雰囲気で最終的には観てよかった〜となった良き映画だった。