この映画の見どころは2つ。
1つは、9歳のマッシモ少年がちょいちょい目にする当時のイタリアのテレビ映像。メロドラマに、水泳の飛び込みに、昔の「光子の窓」のような、女が笑顔で激しく踊りまくるだけの番組とか、とにかくカルチャーショックが、このぶったるんだ「甘き」映画の前半にいいスパイスになっている。
もう1つは、聡明だったマッシモ少年がまだ35歳くらいなのに50過ぎの冴えない薄らハゲになってしまった時に、魅力的な精神科医のベレニス・ベジョと出逢って、この男にこんなエネルギーが残っていたのかと思わせる激しいダンスシーンが圧巻!
あの「山猫」に迫るかと思ったくらいびっくりした。
赤いテロからユーゴ内戦まで怒涛の時代に活躍した監督の想いが散りばめられているのはさすが。その魅力を探し出すには、忍耐が必要かも