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わたしたちの家のぱのレビュー・感想・評価

わたしたちの家(2017年製作の映画)
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とても寂しい。何かの拍子に例えば何でもいいけど箸が転げただけでも家から誰もいなくなってしまう気がする。誰もいなかったのがわかってしまう気がする。(そしてあのジャンケンの恐ろしさ)

言葉1つ花びら1枚摘むだけで昼から夜へ陸から沖へ世界はひっくり返る。フェリーのシーンが素晴らしくてそして怖い。「誰もいなくなる」からまさか「別の人間がやってくる」、総入れ替えの時がやってくるとは思わない。

家の映画かと思いきや、土地について意識についてでもあって、保坂和志だか荒川修作だか忘れたけど「私の延長は私のようなかたちをしていない」という言葉を思い出す。

「朝起きたら家に誰もいないかも、そうなったらいいな、でもそうなったらやだな」
残念ながら映画が終わると同時にほんとに誰もいなくなる。寂しいので2回観た。
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