わきうし

ソウルメイト/七月と安生のわきうしのネタバレレビュー・内容・結末

ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

韓国のリメイク版がよかったのでこちらも鑑賞した。(韓国版のネタバレもしています)

圧倒的に話の筋としては韓国版の方がわかりやすい。七月と安生の生い立ち(出会い〜仲良くなる部分)がめちゃくちゃ短かったので、その後の家明が出てくるシーンの仲違いや二人で旅行に行くシーンへの感情移入がしにくい。というか韓国版を見てなかったら早々に離脱してたかも。

韓国版には絵という主軸があり、「絵を描くと相手への感情がわかる」という前振りがされていた。また七月の母親から遺品整理を頼まれるシーンもあった。だから七月の遺作を見た時に、七月が安生を深く愛していたことが伝わってくる。そして安生が遺作を引きついで完成させるのも、七月との思い出をブログに書くのも納得できる。
完成させた絵がなんらかの賞を取り、安生に連絡が来たという流れもわかる。

一方こちらはそもそもどのタイミングでネット小説を書き始めたのか、いつ話題になったのかからわかりずらい。(子どもを引き取ってすぐ書き始めたのか?何年も?)
七月も作文が上手かっただけで小説家なわけじゃないので、七月の人生を小説として幸せなものに昇華する意味も薄い。

あとこっちの方が色々と生々しい。こっちの安生と家明の方が本気で惹かれあっていたし、明らかに肉体関係を持っていそうだ。
韓国版はお互いに惹かれ合いつつも何にもなかったのかも?と思わせる余地があった。
七月の陰湿な部分もこちらの方がじっとり出ている気がする。


台詞回しと間のとり方はこちらにも光るものがあったが、基本的な映像の美しさや青春の煌めきのようなものは韓国版に軍杯が上がると思う。
ただ病院のシーンに関してはこちらの方が感情がまっすぐに伝わってきてよかった。

どちらか片方を観るのであれば韓国版をおすすめするかな。

「憎んだこともあるけど私にはあなたしかいない」
自分には理解できない感覚だけど、この世にはきっと存在する関係性なのでしょう。友愛を超え、恋愛感情でもなく、まさしくソウルメイトとしか言いようがない関係性だ…。