ロックウェルアイズ

ソウルメイト/七月と安生のロックウェルアイズのレビュー・感想・評価

ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)
4.3
人気ネット小説の『七月と安生』を映画化したいと、モデルと思しき安生の元に映画会社が話を持ちかけてくる。
作者の七月は所在不明。
映画会社は何か詳しいことを知っていると思い安生の元へやって来たのだが、彼女はそんな人は知らないと言う。
しかし、実際には13歳で出会った2人はかけがえのない親友であり、そこには想像できない物語があった。

キム・ダミ主演で『ソウルメイト』と言う映画が公開されると聞き、へぇーと思っていたらずっと気になっていた本作のリメイクだった。
評価も高いのでこちらを予習も兼ねて鑑賞。

かなり密度の濃い人生の映画だった。
何が凄い、何が良いってわけじゃないが、凄く奥深くまで胸に刺さる作品。
全く真逆の2人が真の友情を育み、妬み、恨み、憎みながらも愛し合う。
そんな親友が自分にも1人いるけど、そういう友達は大切にしたいと改めて思わせられた。
ラストの展開もそこまで意外性はない。
2人の友情にはそうなりそうな切なさが漂うから。
ただ、そんなところで伏線回収しないでくれよ涙

この映画で一番印象的だったのは、「メインの3人は誰も悪くない」という点。
人には色々な生き方があって決して正解は無いし、人を好きになってしまうのだけはある意味仕方ないし、その選択をしてもどう進むかは分からない、まさに運命の悪戯。
広い世界、人それぞれの価値観を知り、初めて身近な人との対立を経験することで、人は強くなり友情は固くなる。
全ては彼女たち3人が選んだこと。
あのような選択をした彼女たちの姿は、私にはとても幸せに見えた。
チョウ・ドンユイの笑顔がすごく素敵だったな。
デレク・ツァンは香港の岩井俊二だなとかなんとなく思ってたら、岩井監督ちょっと関わってるっぽい。