Aimi

ソウルメイト/七月と安生のAimiのネタバレレビュー・内容・結末

ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

13歳で出会った七月と安生。

奔放さを感じさせる名前の七月は、母の教えの元、古くからの「女性とはこうあるべき」の型にはまった安定した生き方を歩み、安定した一生を感じさせる名前の安生はその家庭環境からか型に嵌らず奔放な性格そのままに自由な生き方を選んで生きていく。
女性の胸を締め付けるブラジャーを、母が与えたものそのままに身につける七月とそんなものは身につけたくないと拒んだ安生。
正反対の2人、だからこそ惹かれ合い、影響し合い、反発し合い、愛し合い、お互いを羨み、憎み合い、けれど想い合う。

物語の中でお互いの生き方の写し方や移ろう様を髪型や服装、表情、食べ方、仕草、持ち物を、視覚的なもので語らずに語っていきながら、序盤から仕掛けられた物語のトリックが明かされていく。

お互いの名前が示した、各々が望んだその生き方。七月の母が娘に伝えた「どの生き方を選んでも女には辛いことが待ち受けている」は、そうなんだろうなと思う。今はまだまだ、女性にとっては生きづらい世の中だ。安定した生活を掴んだようにみえる安生、その表情から彼女が幸せなのかはわからない。けれどもふと七月も目が合うときの彼女の笑顔が私は忘れられないし、その彼女が七月に与えた、奔放で自由な生き方。その中を生きる七月の穏やかな旅路と表情を想うと、私は彼女たちの間で育まれた深い愛情と絆に涙が溢れてくるのだ。

その影を踏めば、その人とはずっと一緒にいられるのだという。
影を踏みたいと思える人。
もう影を踏んだ、そばにいる人。離れてしまった人。
一生のうちで何人もは出会えないそんな人と出会えたなら、心に灯した明かりでその影を踏みたいと思う。
Aimi

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