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紅い襷 La Chronique de TOMIOKA 富岡製糸場物語のTSのレビュー・感想・評価

3.4
【近代日本の発展に貢献した工女等】74点
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監督:足立内仁章
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:100分
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 前日富岡製糸場に行った時に、売店に売っていたので購入して鑑賞。はっきり言うと、映画としてはかなり脆弱な部分があり、予算から見るクオリティは朝ドラレベルかと思うのですが、説明的なところも含めて勉強になりましたのでこの点です。ただし、残念ながら映画としての完成度はあまり高くないです。

 明治維新期、日本で最初の官営模範工場となったのが2014年に世界遺産にも登録された群馬県の富岡製糸場です。当時の日本の技術の吸収は凄まじく、何とか列強に追いつこうと、自国の文化を脱ぎ捨ててまで切磋琢磨していきます。繭からとれる絹の生産に目をつけた日本政府は、フランスからポール・ブリュナを迎え、大量生産を考えていくのです。その絹を作り上げたのが工女と言われる方々です。今作は実在した工女である横田英を主人公に話が進んでいくものになっています。

 歴史をあまり知らなくても丁寧に解説が加えられてます。ここが映画的ではなく、資料館の各コーナーで説明されてるかのような仕様ですが、敢えてここは気にしないでおきましょう。工女の1日の暮らしや苦労も垣間見れたので面白かったです。意外だったのが、そこまでブラックではなかったということ。まあ実態はわかりませんが、一応形式上勤務時間は一日7時間45分。また工場内は緊張感はあるものの、みな一等工女を目指し励まし合い仕事をしています。一等工女になると赤の襷をもらえるので、今作のタイトルはそれを目指す工女たちの物語となっています。

 近代日本の発展に貢献した産業遺産とその人々を追うドキュメンタリータッチの映画。歴史を知るには良い教材であると思います。
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