けーな

劇場版 嘆きの王冠~ホロウ・クラウン~/リチャード二世のけーなのレビュー・感想・評価

3.4
学生時代にシェイクスピア作品が嫌いでならなかった記憶が頭にこびりついて離れないものだから、今シリーズの評判を聞いて、ずっと気になりながらも、観ずにいた。しかし、これは、やっぱり観なきゃと、とうとう思い立ち、DVDを購入し、ようやく観ることにした。

やっぱり、シェイクスピア特有のもったいぶった言い回しの数々に、好きになれないと思う気持ちが、途中、何度も押し寄せてきたけど、最後まで観たら、心の奥に残る何かがあって、次回作が、無性に気になってきている。

シェイクスピア作品を演じるだけの技量を持ったイギリス人俳優たちが、キャスティングされていることが、何より見事だった。

弱々しい感じのリチャード2世を演じたベン・ウィショーが、とにかく、はまり役。幽閉されたロンドン塔での長いセリフ回しが圧巻だった。さすがシェイクスピアってことか。いよいよ、シェイクスピア嫌いを克服できるかな。

ボリングブルックを演じたロイ・キニアが、とても良かった。「MEN同じ顔の男たち」での記憶が新しいけれど、もともとは、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身。

トム・ヒューズ演じるオーマール公が、取った最後の大胆な行動、あれは、原作と異なる。原作では、エクストンが、刺客だったから。

オーマール公のお父さん役、観終わってから知ったことには、あれは、「名探偵ポワロ」で有名なデヴィッド・スーシェが演じていたと。もう一回見直したくなった。

パトリック・ヒューズ・スチュワートも、味わい深い雰囲気だった。彼は、「スタートレック」で有名だけど、もともとは、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身のナイト爵。

次回作以降のキャストも、かなり豪華なので、観るのが楽しみになってきた。 回が進めば、私のスコアも、もっと上がるかも。
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