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新佐渡情話のENDOのレビュー・感想・評価

新佐渡情話(1936年製作の映画)
4.0
カメラ=猿は神の視点。追い詰められた男は一度もなす術がない。むしろ情念によって決断する女の生き方よ。波紋のように広がる丸い場面転換。時間経過の演出。後半の夜の浜辺の捜索隊の松明のサイレント映画の雰囲気。戦前から隔絶された今日でも日本人の琴線に触れる何かがある映画。滂沱の涙を搾取する。太宰治のエッセイに出てくる奇を衒わずに作られた真っ当な浪曲映画。一筋の涙に人間の業。近親相姦のタブーは当事者の認知なきままに死によって葬り去られ永遠となる。
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