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ハウスシャークのkaomatsuのレビュー・感想・評価

ハウスシャーク(2017年製作の映画)
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スピルバーグ監督の『ジョーズ』以降、様々なタイプの「サメ映画」が作られ、一つのジャンルとして定着した感があるが、本作はハンパないB級、いや、C・D級サメ映画。舞台は海ではなく、家の中にサメが現れ、人を襲うというトンデモな内容なのに加えて、このサメが着ぐるみであることと(しかも、かなり漫画チックでかわいい)、このサメがレーザー銃のような武器まで持って人を襲うという、かなりシュールで衝撃的な展開に、もう、口あんぐり状態…。

主人公のフランクは、息子をシッターに預けて外出。その間、シッターがトイレに座って(なぜか全裸で)本を読んでいると、便器の中から何者かが襲ってきて、便器の中に引きずり込まれて喰われてしまう。ちょうど帰ってきたフランクは、その瞬間を目撃する。そして、家の中にいることに身の危険を感じたフランクは、息子と共に自宅の庭でテント生活を始め、家を壊す決意をする。ところが、悪徳不動産会社の社長が、フランクに断りなく、この家を売りに出すよう、部下に命ずる。そして、物件を見に来たイチャラカップルが、第二の犠牲者に。人を襲う、この正体不明の怪物が「ハウスシャーク」だと分かり、フランクは、科学者のザカリー、一匹狼の不動産屋エイブラハムと三人で、ハウスシャークを退治する…という、「ジョーズ」をまんまパロったストーリー。ただし、舞台は海ではなく、フランクの家の中だ。

どんな殺戮シーンが展開されるのかと、手に汗握って待ち望むも、最初のシッターさんが血祭りに上げられるシーン以外は、ゴムっぽい素材でできた、かなり安っぽくデフォルメされた着ぐるみのサメがアッケラカンと登場し、口をパクパクさせて威嚇するのみ(たまに人を飲み込むけど)。サメ退治の途中、なぜかサメがカマキリを苦手としていることが分かり、突然エイブラハムが「蟷螂拳」のトレーニングをやり始め、フランクが熱血トレーナーに早変わりしてしまうあたり、『ロッキー』やジャッキー・チェン映画のパロディー?? さらにザカリーが、用意されたメスのサメの着ぐるみを着て、ハウスシャークをおびき寄せたり(着ぐるみに加え、メスを強調するために、ピンクのエプロンまで身に着けている)、なぜか中盤は延々と会話劇中心で、しかも下ネタのオンパレード。もう、シュールすぎて、ワケワカリマセン…が、ひととおり、サメ映画のお約束を踏襲していることだけは、辛うじて理解できたかな。
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