あさ

わたしたちのあさのレビュー・感想・評価

わたしたち(2016年製作の映画)
4.0
コレもずっと見たかった〜。泣いてはないけど何故かエンドロールで鼻がツーンとした。いやあなんか…最近邦画で疲れること多かったから、求めている「映画」ってコレなんだよなと思ってしまうなどする。小学生のコミュニティの恐ろしさが実に現実的。

狭い世界の中で虐められるか、虐められないか。もうそれだけで一日、一日の重さが全然違うから、虐められないために虐めるっていう最悪の図式は存在してしまうのよね。正義感があって声に出せるソン、それで標的になるのは本当に生きにくいだろうなと。本編では全て描かれないボラの家庭環境にも何かがある気がする。

「思春期だから」と片付けてしまうのも、「塾に行かせないとダメ」思想も保護者に往々としてあることだよなと。子どもたちの世界で起こっていることは家庭に直結してしまう。そして自分の小学生時代を思い返しても、当時の自分にはクラスメイトの家庭環境まで細かく気を配れる精神なんて、それはそれはなかったなあと、まあそりゃ大半なんだけど。そんでもって、親の抱える問題や悩みもそれは簡単に解決できたり取り除けるものでもなくて。誰でもボラやジア、ソン、そして見て見ぬふりをするクラスメイトになり得る(というか、殆どがなる)のだから、とても恐ろしいことだなと思ったり。あと一番何もしないのはドッヂボールも審判してるのに何一つ咎めず進行する教師。その空気っぷりも実に残酷ながら、あるよなあと思った。

数億分の一の可能性でもし自分が親になったとしたら、どうか子と対話ができるようにありたい。異変を見過ごさないであげて。
あさ

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