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ディザスター・アーティストのkekqのレビュー・感想・評価

3.7
ひどすぎることでカルト的人気を誇る映画「THE ROOM」ができるまでを描いた伝記映画。世界最大の商業映画の生産地でありながら、やはりアメリカは映画に対する愛情も造詣もとても深いことを思い知らされる。

物語はトミーとグレッグの友情を軸にかなりベタに描かれるが、トミーの超然とした奇行がヤバい。底辺で切磋琢磨していた時期はよかったが、謎の財力に物を言わせて人の上に立ってからがよくない。ここまでトップに立たせてはいけない主人公も珍しい。
しかもホドロフスキーのような圧倒的なイマジネーションで人を超えた人間ではなく、普通に評価されて普通に友達と遊んで普通に恋人がほしい欲望をガラスのようなメンタルに貼りつけている人間だから始末が悪い。どこを切ってもめんどくささが凄い。

フィナーレは本当か嘘かわからないが、映画的にまとまっていてとても清々しかった。
駄作にも様々な種類があり、「THE ROOM」本編は見ていないが、一流監督と同等の魂をこめて資金を投入してしまった駄作だからこそ、長く愛されるというのはよくわかる。変な映画を好む人たちにとっても「THE ROOMがわかるかどうか」は一つのものさしなのかもしれない。

現地では愛されすぎてみんなでいっしょに叫んだりスクリーンにスプーンを投げたりするらしい。エンターテイメントとしての種類が違いすぎておもしろそう。
ていうかトミー役とグレッグ役の二人は兄弟なのか!
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