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ビリディアナのmimicotのレビュー・感想・評価

ビリディアナ(1960年製作の映画)
3.9
富裕層の低劣さを描きつつも、貧しき者たちの善良さも否定してくる。何より信仰を思いっきり揶揄した、Theルイス・ブニュエルな作品だった。強烈だけれど面白かったです。

修道院で暮らすビリディアナが、叔父の屋敷に呼び出されたことから始まる悲劇の物語。

舐めるように撮影された足や靴。映像が変態チックですー
娘のような存在のコを相手に厚かましくて...叔父さんキモチワルイ
それなのに、
叔父の悲しみは自分のせい...
ビリディアナの心は美し過ぎました。

神さまを信じている彼女を、監督は崖っぷちに立たせて突き落とす。まるで世間知らずの理想主義者のように描き、自業自得のごとく残酷な展開で堕落させていく。
なんて意地悪なの..この映画の中には神さまはいなかった。
人間に潜む、欲望にまみれた悪の側面を見せつけて、信仰の無力さを強烈に描き出していました。

ラストがまた凄い。
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