otom

廿日鼠と人間のotomのレビュー・感想・評価

廿日鼠と人間(1939年製作の映画)
5.0
怒りの葡萄時代における負の永久機関の一つの形。夢は大きくとも容易には抜け出せないと云う悲劇。そして孤独と依存と弱さと強さとが入り乱れる人間の胸中の沼を上手い事描くスタインベックの原作からしてもう素晴らしい。もしもの時、愛する者を苦痛から解放する為には己の手を汚さねばならないと云うあんまりな極限状態な時代、それを描く使命感みたいなものがあったんだろうと思われる。老犬とラストの銃弾で二度泣かせにくる構成も見事。ロッキーのトレーナーでおなじみの若かりしミッキーはかなり迫真の演技だけれども、カミさんの役はリメイク版のシェリリン・フェン嬢の農場で無駄に発散させる色気には敵わない感じ。
otom

otom