旧ソ連生まれで、ソ連崩壊後はロシアでモスクワドキュメンタリ映画祭の会長も務める監督が、長期間の交渉の末北朝鮮で映像撮影することになった。
しかし、北朝鮮当局者は「真実」が映し出されることを許さず、「祖国の美化」を執拗に演出し、厳しい検閲を課す。
ソ連時代に人民の自由抑圧を知る監督は「隠し撮り」で北朝鮮当局の検閲を経ることのないフィルムを持ち出し、「北朝鮮の真実の一側面」が映されたドキュメンタリーを編集し公開するに至った。。。。
※公開後は当然北朝鮮から猛抗議を受けたとのこと
いやまぁ・・・全ては金王朝を支えることを主眼に国家体制が組まれていることをうんざりするほど見させられることになる。(撮影時は既に金正恩体制)
撮影されることとなった一家には当局者の監視が光り、自発的で自由な発言などできるわけがなく、全てが「統制」される。
ところが、隠し撮りではなぜか少女が泣き始める場面があり、その涙は金王朝社会主義思想でがんじがらめにされた少女の内面の心の叫びの様に見えないこともなかった。
特典の監督インタビューでは、厳しかったソ連時代を知る監督でも「北朝鮮ほど酷い国はない」と言っていたほど。
実に興味深いドキュメンタリーでしたけど、少女たちに反日教育を吹き込む場面には震撼させられるものがあったし、硬直しきったギスギスの世界を見続けるのはなかなかに辛いものがありましたね。
極左・極右・宗教団体という違いはあれど本作の北朝鮮と似通った雰囲気を感じた組織として「旧統一教会」「オウム真理教」が思い浮かんだ。