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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版のmimicotのレビュー・感想・評価

4.2
タイトルの「少年殺人事件」
誰が誰を殺すのか...
全く予想外のことが起こって驚いた。

ずっと観たかったエドワード・ヤン監督作品をやっと観ました。236分長いけど、全然飽きなかったです。

1961年に台北で実際に起きた事件をベースにした物語。
最初は、登場人物に区別がつかなくて混乱してしまったけど...

主人公の少年一家を通して描く当時の台湾の時代背景。
そしてその親の不安が伝播し、自分の明るい未来が見えなくて荒れる子供たち。
それらが群像劇ふうに、丁寧に描かれていてこそ、本筋である少年と少女の恋愛の話に深みが出てるのだと思う。

懐中電灯を持ち歩く少年には、闇を照らす光が必要だったし、それはお守りのようにも見えた。
好きになった少女もまた、少年にとっては光だったのかな。

彼らとまではいかなくても、15歳の頃は、小さな世界の中で、もつれるように恋愛をしたり、喧嘩をしたり、思春期特有の視野狭窄に陥いりがちだと思う。

いろんな要因が重なってしまって可哀想。事件は、運が悪かったのだと思います。

光と闇にこだわった内容と映像が完璧。
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