ちろる

満月の夜のちろるのレビュー・感想・評価

満月の夜(1984年製作の映画)
4.1
満月の夜は誰も眠らない。だから、悪い事も良い事も全てがあからさまになってしまうという。
満月の夜って街でも荒れてる人多い気がするのよね。気のせいではないはず。

こちらの作品は、エリック・ロメール作品の中でもシンプルなラブコメとして楽しめるので万人ウケするのではないかな?
期待してなかったのに、蓋を開けてみたら個人的に好きな作品でした。

大人の自覚が無くなんとなく、ふわふわしたくて、幾つもの顔を都合良く使い分けたいルイーズ。
ふわふわ具合や、恋愛の考え方がめちゃくちゃ20代の頃の自分と似てるので恥ずかしながら嫌悪感はなくて、むしろ共感してしまった。
レミとの喧嘩みたいなやつも経験あるからリアルに感じてドキドキ。
冷静に観たらダメダメ女なんだけど・・・ね。

束縛しようとする彼氏レミと友人のオクターヴ。
とくにオクターヴは既婚者のくせに色々介入しててウザめ。

愛があれば何でもOKなワケなくて、好きなライフスタイルが違うなら好きでも離れて暮らすしかないというのがルイーズの考え。
互いのライフスタイルに口出さないで、もし気の合う相手が出てきたら身を引くという合理的結論に持ってこれたのはレミの惚れた弱味だったわけだが、これが2人の絆よ崩壊までの一手であった・・・

とにかく隙がありありのルイーズ、身勝手な言動ばかりなのに声がキュートなので、魅力的に見える。知らない女優さんだけど、適役だった。

こんな夜遊び好きなヒロインのお陰で堪能できる当時のオサレピープルの日常。
上品なお屋敷で綺麗目なドレス来て、フレンチポップスでダンス♪
80年代のパリってこんな感じなのかーって勉強にもなりました。
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