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ダゲール街の人々のleylaのレビュー・感想・評価

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)
3.8
アマプラにアニエス・ヴァルダが追加されているとのことでさっそく。

アニエス・ヴァルダが撮ったら、ご近所の商店街だって素敵な映画になってしまう。そんなドキュメンタリーだった。

ヴァルダが住むパリ14区のダゲール通りの商店街の人々にスポットを当てた、当時の記録のような作品。

パリの華やかさとはほど遠い下町。
香水屋、肉屋、パン屋、時計屋など、どこにでもある半径50m内の商店街の日常を切り取る。

後半、マジックショーと街の人々が交互に映し出されたり、どんな夢を見るかを尋ねてみたり、ヴァルダの手に掛かるとちょっとしたスパイスを振りかけるだけでチャーミングな作品に昇華してしまう。

香水屋さんの老夫婦に惹きつけられた。
何十年も淡々と小さなお店を営みながら、お互い言葉も不要な存在になっている。
この夫婦にもたくさんの歴史があったんだろうな。もうこの世にはいないんだと思うとちょっと寂しい。
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