これは公開当時に劇場で観て感動して、当時はヤフー映画にレビュー書いてましたけど、満点をつけて興奮しながらレビューを書いたのを覚えてます。その後も何回か観てて今回は久しぶりに観ましたけど、満点評価は変わらず。やっぱ、脚本も演出も完璧で奇跡的な作品だなぁぁっていうのを再確認できましたね。
ゾンビが出てきてパニックになるからホラーっていうジャンル分けされますけど、これをホラーファンが観てもあんまり納得はしないと思います。冒頭の主人公の描写からラストシーンまで人の心が変わっていく、というヒューマンドラマのフォーマットが強く生かされているためです。でもちゃんとパニックのハラハラドキドキがあって、ゾンビの恐怖だけではなく、命が危険にさらされた非常時の人間どうしの醜い争いなどはエンタメ感満載。パニックエンタメでありながらヒューマンドラマ……というよりは、まずヒューマンドラマがあって、ホラーパニックエンタメで飾り立てた映画という印象があります。
キャラ設定も演出も唸らされるところが多々ありました。現在に比べると一回り体が小さいマ・ドンソク😅はいつも力任せの演技という印象だけどこの映画ではいい演技をしてましたね。セリフもいいしユニークなキャラのインパクトがあったと思う。野球チームの設定も素晴らしい。老姉妹や、電車のチケットを持ってなさそうなホームレス風の男など、群像劇としても見せ場がうまくできているから、そんなキャラたちがゾンビの犠牲になるシーンがどれもこれもガツンと響くものがあったと思います。
韓国ドラマとかでキム・ウィソンというおじさん俳優をよく見かけますけど、最近はいい役ばっかりやってるんですよね。それもいい味だしてますけど、久しぶりに今作を観て懐かしの悪役を堪能することができました。悪役というか、自分のことしか考えないセコいキャラですかね。これをみると演技の幅の広さがよくわかります。
クライマックスの影を使った演出はちょっとびっくりしましたね。韓国映画でそんなふうに影を使った演出はあんまり観たことなかったからです。昔の白黒映画でよく使われてたような演出に応用を効かせたような映像が素晴らしい。このシーンのためにまたこれからも何回も観ようって思えます。
